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2007/06/15

「精霊の守り人」とそのシリーズ(2)

昨日の続き。エントリーはこちら。

「精霊の守り人」とそのシリーズ(1)(misc., 2007/06/14)

で、
サグ(バルサたちの住む世界/目に見える人間の世界)とナユグ(表裏関係にある世界/目に見えない精霊の世界)というファンタジーとしての異世界設定については、原住民を中心とした人々が守り伝えることでその窓口を維持している。しかし次第にナユグが昔の伝説・言い伝えになり古来からの教えが形骸化しつつあるというのは定番的な設定か。そこで上橋氏のベースである研究が生きてくるわけで。
 

表面的にもわかる矛盾などいちいちつっこみを入れるような筋だと読んでいて疲れるのだが、本書は安心して中に入って遊べる(掲示板では幾つか指摘されているようですけど版改訂で修正しているようです)。ルイスにしても何にしても、このような設定の作り込みが、読者をゆったりと楽しませる基盤になるのだろうと思わせられる。ただそうして見た場合、上橋氏が短槍を始めとする戦闘(いわゆる殺陣の描写)や逃走・追跡のありかたについてどこで取材をしてきたのだろうかと、それは興味深く思う。下記の「ユリイカ」特集には書いてあるのかな。まあこの辺はもっとそのジャンルのマニアにかかれば不満もあるかもしれないけど、私にとっては充分。

第1巻に当たる「精霊の守り人」に続き「闇の守り人」「夢の守り人」「虚空の旅人」「神の守り人(来訪編)」(この表紙のバルサは好きではない)と順に読み進めていっているが、なんとも良くできているなあと思う。たぶん物語が私の好むところにピタリと合ったということでもあるけれど。
ストーリーテラーとしての作者の筋立ても楽しい。また「守り人」であること、バルサが人を殺そうとしないところなども、昨今のむやみやたら意味無く人が死んでいくようなフィクション出版の傾向を考えれば、肯定して良いだろう。
 
 
それで、アニメーション。
現在は第10回「土と英雄」まで行ったところ。これは外伝として「ユリイカ」誌上に掲載された物語からの持ち込みだろうか(現在取り寄せ中、未確認)。主人公の1人である、チャグムのキャラクターを描いている。この1話で彼の浮世離れしたところ、聡明さ、正義感、行動力、優しさ、そしてカリスマ性までも示そうとしたようだ。
原作ではこれらの資質が他のエピソードを交えてゆっくりと示されるのだが、アニメーションの枠内では不十分と感じられたのでこのようにしたのかもしれない。(以下ネタバレ失礼)チャグムは後に一国の政を担おうとする立場に立つのだから、その意味合いの伝達までをストーリー展開のどこかで押さえておかなければならなかったのかもしれない。というのは、アニメーションでもこの後はおそらく本筋を追うことが多くなってくるように思うから。
それにしても、ジブリに取られなくて良かったわ ;-p

次回第11回「花酒をタンダに」は、シリーズ中「夢の守り人」のネタを組み入れているようだ。これもワクワク。
 
 
HPでは公式ページ、偕成社ページ、ファンサイトなどあれこれあって熱気を感じる。個人的に面白いと思うのは、公式ページ中の「今週ノ飯」のコーナー。原作の世界や感性を汲みつつ制作スタッフの視点を垣間見るようだ。
 

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