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2007/06/30

成年後見の申し立て急増

朝日新聞の記事。

成年後見の申し立て急増 06年度は3万件超(朝日、2007年06月27日)(同キャッシュ

裁判所でこのようなデータは毎年まとめているので先ほど確認したが、まだ本エントリーの時点では06年度(平成18年度)データは掲載されていなかった。

成年後見関係事件の概況(裁判所)

成年後見の申し立てが急増とのことである。急増と言うかどうかは書き手の判断だが、これまでの伸び率からすると、昨年度は伸びが大きい。民法改正による成年後見制度の開始が平成12年。当初は勉強会などの数も多かったものの、実際の申し立て件数が激増するわけでもなく、いったん冷え気味となった。そして昨年のこの結果。
潜在需要は多いはずと業界関係者は言っていたにもかかわらず今まであまり増えてこなかったことを考えると、やっと反応が現れたというところか。

成年後見制度に関心を持ち続け、NPO法人も走らせている立場からすれば喜ばしいことか。
しかし私はあまり喜んでいない。
 

現行の仕組みだと本人に対して保護的な機能は果たせるかもしれないが、それ以上ではない(あるいはそれ以上になりにくい)からだ。
必要な人は居るので一概に否定する気はないが、しかし闇雲にやってもしょうがないと考えている。用法と用量をよく守ってお使いください、というか。帯に短くたすきに長い道具をどう使ったものか考えあぐねるというか。
 
 
相続時および相続トラブル時、もしくは財産搾取や取引トラブルに遭った際には有用であることも少なからずあるが、平時にはその意義は少ない。成年後見制度となってからは本人尊重にシフトするようになってきたと言われるが、それは今のところかなり限定的な解釈に留まっている。高齢者はそれでも良いのかもしれないが、(特に若い)知的障害者は今日も明日も明後日もつつがなく“安全”を保障されて暮らせば良いだけの人生にはならない。
そして今のところ、それを考えるのは後見人ではなく、そのほかの、例えば周囲の支援者等であることは変わらない。
(一部の後見人はそういうことも考え動いているが、今は全般的な話をしている)
(いや、本来はそれを考えるのは本人であるはずだが…)

そのように成年後見制度が現時点で果たしている機能を考えたとき、それにしては権限が強いことへの懸念はある。
もちろんトラブル等への対処を考えた場合は、補助でも保佐でもなく後見類型まで行かないとと“コントロール”できないとの意見を後見人等の実務者からは聞く。そしていわゆる困難事例ばかりを回されて苦労している人がいることも聞いている。
それはそうなのだが、しかし審判や申請の多くが後見類型であることは、やはり懸念を強くせざるを得ない。
 
 
制度があるのだから、今のところ単に否定するのではなく、それを使いやすいものにすべく努力をしている。
あるいは、制度は制度として、その外側にオルタナティブを作った方が良いのかしらと試行錯誤してもいる。→コミュニティフレンドの試みとか

それらの努力とはまた別に、でもやっぱり本人のパワーだよな、などと思うところではある。
じたばたであっても、パワーが大事。
 

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