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2007/06/04

英国等の parenting を支える背景(その2)

昨日の続き。

(1)~(8)の一覧を再掲したうえで、後半のコメントを書く。
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1)地域移行と地域生活における社会基盤の整備が背景にはあるだろう。
2)ブレア政権において展開されたシュアスタート(Sure Start)事業が少なからず影響を与えているだろう。
3)知的障害に限らない障害がある人の子育て(parenting)についても相応の展開があるだろう。
4)児童福祉における家族への介入システムが、(対抗的な)結果として子育て支援を形成させたのではないか。
5)当事者団体あるいは当事者支援の活動が子育てをバックアップしている。
6)政府等、公的な認知を獲得した。
7)研究活動が活発である。
8)その他。
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(5)について
CHANGEなどの団体の動きが見受けられるし、これと連動する大学の研究機関や支援ネットワークがあることがわかる。このようなところが、現在の動きを作り出しているものと思われる。また、これほど中核的な活動がないことが、日本の弱点であるということにもなるのかもしれない。

(6)について
英国知的障害者白書にも掲載されたという話。背景要因というよりもむしろ結果なのかもしれない。ずっと活動してきてやっと掲載されたと言うことらしいから。しかし白書や公的資料に掲載されるというのはたいへん重要なことだ。公的にその事実を認めるということだから。

(7)について
実は1年前までそんなことよくわからなかった。しかし調べだしてみるとたくさんあって驚いた。質的研究や実践的な研究が多いようなのだが、やはり数値を明確に出しにくい事情を反映しているように思われる。
いずれにしてもそのような動きは(5)などとも関係しつつ、(6)の結果に繋がっていく原動力になっていったのだろう。
なお、このような活動は英国・米国・豪州などを中心とした国際研究組織になっているようなのだが、これについては後日別にエントリーする。

(8)について
まだよくわかっていないので、ひとまず置いただけです。

以上。
 
 
さて、日本である。
あれこれ言ってもしょうがない。少なくとも現実にはいろいろあるのだし、しかし事態の認識も位置づけも不明確なままで困惑が積み重ねられている。そのような中、みんなやりくりしている。ここいらでひとつ課題を整理し、このテーマの意義を広く理解共有するようにできれば、手詰まり気味(?)の現状にも幾つかの変化が生じると思われる。

★ひとつは、親に対する支援が広がり、支援を得やすくなるのではないか。
★そしてその結果、子育てについて不幸な展開に至る例を少なくできるのではないか。
★それから、現場での当事者ならびに支援者の混乱を減らし、偏見を解消することが出来るのではないか。

少し話が飛ぶようで恐縮だが(まあblogなので勘弁してください)、先日あった日本成年後見法学会(5/26、千葉大学)でも考えた。
法的措置と社会福祉的対応が接点を持つ部分というのは幾つもある。そして福祉的対応(というか社会サービスの対応と言うか)によって法的措置の判断が変化することがあり得る。特にそれは、本人の能力をどのように考えるかが判断根拠として重要な要素を占める場合によくある。例えば成年後見しかり、この子育ての問題しかり。
やはり法的判断により自己の身柄・身分(正確な言い方は良くわからない)が左右されるという状態以前にすべきことが、社会福祉(社会サービス)の中には少なからずあり、これを十分に提供した上で相対的であるところの彼らの能力判断が構成されるよう、社会サービス側が務めを果たさないと、それは怠慢であるとも言われかねない。ここでいう怠慢とは、個人努力ではなく、システムや行政認識の問題である。
(うーん、わかりにくいですか。すいません。ひとまず自分の頭の中にあるものをばさっと出してみた、ということなので。)

それで戻って、
私は、英国の事情を礼賛するつもりはない。例えばシュアスタート事業ひとつとってみても、障害者へのサービス提供が十分ではないと指摘する人もいたし、また英国の場合、このような事業は例えば貧困世帯のような特定領域に対して集中的に提供されることが基本となっていたようであり、その意味で、どのように事業成果が全体に反映されているのかを、日本にいながらでは簡単に推測しにくい。また、英国の児童保護裁判のシステム、児童福祉のシステムについて私の知識が不足している。
しかしいずれにしても、参照できる状況ではあるように思われる。

そんなわけで、今はもっと当地の事情をご存じの方とコンタクトを取りたいと考えている。児童福祉の専門家とか、児童保護裁判の専門家とか、英国通の人で。

幾らか資料が整理できたら、夏~秋にでも何か書いてみたい。ちょっとまだ無理か。序論的なものなら良いか。何か作っておいて、*さんとか*さんとかを口説いてみたいと話をしてみたい気がする。
また適当な助成があれば、現場の方(いちおう話はしている)と仕事を立ち上げてみたいと考えている。
 
 
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(以下妄想)
 
ぶっちゃけて言えば、英国に行ければ良いんですけどねー(いやそういう話か)。
誰か私を英国に行かせませんか(だからそういう話か)。
ブリストルかシェフィールドを基点にして、子育て支援、児童保護プログラムと知的障害者支援、わかりやすい表現(easy-reading)ほかCHANGEの活動、成年後見、MCA2005、権利擁護、消費生活支援、クライブ・プロジェクト、知的障害者の自己ケア裁量事業など調べる。
ついでにケルトや「梨木香歩」トレース、「DWジョーンズ」トレース、「エマ」トレースなどもやって来ますから、お得なこと請け合いです。損はさせませんてば。わはは。
 

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