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2007/05/17

Valueing People 2001(英国知的障害者白書)(その2)

昨日の続き。

ここでは子育て支援に関する言及と、この白書刊行後の動きについて書く。
 

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3)知的障害のある親に対する言及

140ページほどの白書だが、その中で7個所ほども parent(s) with intellectual disability あるいは disabled parent(s) の言葉が現れる。それがどうも、生活や暮らしに関することについて述べる際に、知的障害のある親にも触れる、というふうだ。例えば direct payment の項でも、“知的障害のある親にも direct payment は使えるぞ”と書いてあるとか。

このようになったのはそう古いことではない。白書発行の前年 Wendy Booth のエッセイ(Booth,W., 2000)に“この頃やっと政府が認識するようになってきた”との記述があるからだ。とは言え、文献としてこの問題が指摘・議論されるようになってきたのは20~30年ほども前に遡るらしく(誰々、19**年…確認後回しですいません)、そういう意味では彼らの感慨通り“やっと”なのかもしれない。

さらに1~2個所では興味深い記載がある。

まずひとつ、生活を充実させるための鍵となる活動(key actions)のひとつとして、知的障害のある親に対するサービスの改善を挙げている。
また、その後に、ほぼ1ページに渡って子育て支援の重要性について記載されている。

これまでに多くの当事者等民間団体が行ってきた実践と、研究者(これにはHMSの研究者も含まれる)が行ってきた研究の数からすれば当然なのかもしれないが、それでも日本から眺めると驚かされる。

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4)白書刊行後の動き

これについては、矢部久美子氏のエッセイから紹介する。
140 初めて実施された知的障害者の全国的生活実態調査(矢部久美子のイギリス福祉情報 No.51)

2001年の白書刊行時に、英国政府は知的障害者の生活改善をするとの方針を示すとともに、実態を調査すると宣言したらしい。そしてその結果が以下のようになっている。

Adults with learning difficulties in England 2003/04

publicationのページからも辿れるし、説明もあるのだが、資料を入手するにはこちらの方が良いかもしれない。

中身については上記矢部氏の紹介文があるのでご覧いただきたい。
この調査報告は、2898人の知的障害がある人に対するインタビューの結果から構成されている。
これ自身がわかりやすい英語で書かれているように思われるが、さらに easy-read version も同ページに用意されている。

さらに、白書刊行後に、何を政府がやったか、これから何をするかについて記載するのが次のファイルである。

Valuing People:Making things better -- The Government’s Annual Report on Learning Disability 2005

毎年出して、これが3回目、主に2004年度のことについて報告している。
 
 
ps
矢部氏のコラムでは先日たいへん興味深い寄稿があった。これについてはまだ書けるほどに読んでいないので、後日改めて書くことにする。
 

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