growth-attenuation treatment(その10)
Ashleyさんの親御さんがページ上でコメントを出し、欧米の有力紙がこの件を取り上げたことで、関連MLや掲示板などで議論が大きくなっているようです。私は英語があまり得意ではないので、どうにも追い切れず難儀しています。
また本テーマに見識のある研究者複数名とやりとりさせていただくようにもなりました。私は行きがかり上首を突っ込んでいる素人のようなものですので(福祉ジャンルは専攻ですが)、感謝しています。しかし各員とも原稿や雑事でほとんど時間が割けずに泣いています。私も本当はマズイ。
で、ご紹介いただいた情報のうちから2~3を抽出して記します。
お教えくださいました土屋さん、森さんに御礼申し上げます。
●NDY Statement on "Growth Attenuation" Experimentation(Not Dead Yet, January 6, 2007)
このステートメントを出した Not Dead Yet は、記事冒頭にあるように、自殺・安楽死などを含む障害と生命倫理に関する団体のようです。
→http://www.notdeadyet.org/
明確な反対の論調と思えます。一般的な論調に同情・賛成論が多く見られることに我々は特に驚かない、昔からそうだった。しかし我々はこれに反対する、等々。
なお、このステートメントは InternetExplorer や Sleipnir などのブラウザでは一部文字化けします。いずれもクォーテーション(“)マーク前後の問題のようですから、それを含み込んで読めば読み進めることができます。また FireFox は文字化けしません。文字化け無し版をここで掲載するのは著作権的に悪いのか? あまり悪くない気もしますけど…
●Honey, We Shrunk the (Developmentally Disabled) Kid! (Tom Shakespeare, from Ouch! コメント期日不明)
英国「障害学(disability studies)」における主要な論客の一人であるトム・シェイクスピア氏のコラム。少し砕けた書きぶりで皮肉も効いているのか、ちょっと私のような者には読み取りにくいのですが、否定的な主張のようです。
またシェイクスピア氏はこの手続きが倫理委員会等、予め定められた正式な手続きに乗っ取った結果であることについて、これを重要視しています。つまり、倫理委員会というフィルターを用意していたのにこうなのか、ということで、根の深さを懸念しているようです。
●Parents of disabled children ask doctors for 'Ashley treatment'(The Guardian, January 8, 2007)
新たに4組の親御さんから、医師に同じ treatment の依頼が来ていると、ガーディアン紙の続報が伝えています。倫理審査等が進められるようです。
医師は「類似状況にある家族は多いことだろう。その中の幾組(some)にとっては明らかに有益だ」とコメントしています。
他に賛否からの一般的なコメントは多数ありますが、読み切れません。
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