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2006/11/18

成年後見制度利用支援事業

障害者自立支援法における地域生活支援事業の中に、「成年後見制度利用支援事業」がある。ぱっと見ただけではわかりにくいが、地域生活支援事業のうち市町村の行う相談支援事業の中に含まれるようだ。つまり、障害者自立支援法→地域生活支援事業→相談支援事業(市町村)→成年後見制度利用支援事業という構造。ややこしい。

実は既に2003年に制度化されているものだが、今回これが自立支援法施行に伴い、相談支援事業という市町村の必須事業として引っ越してきたことで、市町村はにわかに取り組みだしたということのようだ。私の住んでいる市でも次年度の予算組をした。

民法の一部改正(→禁治産制度から成年後見制度へ)によって、必要のある場合には市町村(長)も後見等審判開始の申立が出来ることになっている。相続や金銭トラブルなどで後見開始が必要であるにもかかわらず親族等の申立人が居ない場合、市町村長が申立人となって手続きを進めることの出来る仕組みだ。しかしそのことを関係者(部局)があまり知らないとか、理解が少ないので予算確保の努力に至らず、結果、いやすいません、できませんということになっている市町村も多かったのではないか。そういう意味では、今回の必須事業への引っ越しというのはずいぶんと促進的に働いたといえる。

あなたの住んでいるまちではどのように取り組まれることになっているだろうか。申立経費・鑑定費だけではなく、後見人等の報酬の全部または一部も助成されるというのは、(額にもよるが)有り難いところではある。とりわけ障害のある人は就労機会も未だ少なく、その多くが十分な資産を持っているわけではない。むしろ支援と後見を必要としている人は、経済的にも苦しいことがある。だから経済的補助は重要だろう。

とはいえ、これは事業が立ち上がるだけでは利用は楽ではない。これを活用しようとする人、この事業の周辺で本人を支える仕組みが必要だ。そうでなければ廻らないことだろう。


以下、事業の内容を記載しておく。

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成年後見制度利用支援事業

ア 目的
障害者福祉サービスの利用等の観点から、成年後見制度の利用が有効と認められる知的障害者又は精神障害者に対し、成年後見制度の利用を支援することにより、これらの障害者の権利擁護を図ることを目的とする。

イ 事業内容
成年後見制度の申立てに要する経費(登記手数料、鑑定費用等)及び後見人等の報酬の全部又は一部を助成

ウ 対象者
次のいずれにも該当する者
(ア)障害者福祉サービスを利用し、又は利用しようとする身寄りのない重度の知的障害者又は精神障害者
(イ)市町村が、知的障害者福祉法第28条又は精神保健福祉法第51条の11の2に基づき、民法第7条(後見開始の審判)、第11条(保佐開始の審判)、第15条第1項(補助開始の審判)等に規定する審判の請求を行うことが必要と認める者
(ウ)後見人等の報酬等必要となる経真の一部について、助成を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると認められる者
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(参考)
狭山市の成年後見制度利用支援事業


→日本弁護士連合会「成年後見制度の市町村長申立の活性化と成年後見人等報酬助成の速やかな実施を求める意見書」(2003-08-22)
(これまでの流れを垣間見る資料として参照されたい。意見書ならびに別紙として市町村申立の要綱案と、利用支援事業の要綱案が添付されている。)

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