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2006/10/01

岡山大学医療・福祉リーガルリスク予防研究センター

昨日に引き続き、法科大学院のセンターについて。

岡山大学法科大学院(大学院法務研究科)が、本日付で「医療・福祉リーガルリスク予防研究センター」を設置との記事があった。
岡山大法科大学院:医療、福祉の紛争解決へ、研究センターあす設立(9/30毎日新聞岡山版)

また今なら岡山大学のHPから記者発表資料を入手できる。
医療・福祉リーガルリスク予防研究センター設立趣旨(9/14記者発表資料)

資料を読むと、私たちと関連が有りそうだと分かる。

記者発表資料から業務内容ならびにキーワードを抜粋すると以下の通り。

5.業務内容:
(1)医療・福祉分野におけるリーガルリスクの予防に関する研究
(2)医療・福祉分野の相談受付・解決支援
(3)地域への講師派遣の窓口
6.キーワード:
「中立性」「客観性」「専門性」「医療・福祉サービスの質向上の支援」「医療・福祉分野におけるよりよい当事者関係の構築支援」

設置趣旨を読むと、法的に事前にできることはあったのに、それが十分為されなかったために元に戻れない不幸な結果になったり、疲弊したりする紛争を防ぎたいとの関係者の気持ちが伺える。

また佐藤さんも指摘していたのだが、福祉領域の常識は一般の法律上の常識を凌駕するというか無視するというか、特例扱いということなのか、いろんなことがずるずるのルーズに執り行われる場合がある。契約の問題もそう。この辺りを整理する結果に行き着くのかもしれないと思わされる。

ただ昨日のblogに書いた獨協大学の「子どもの救済と支援のためのリーガルセンター」と比べて、実務に取り組むというスタンスよりも研究と予防に強くなるのだろうかとの感じを少し持った。というのは、医療や福祉の関係者と連携して紛争処理に当たる構想はひとまず無さそうであり、接点は講師派遣のようなところに留まっているように(資料からは)見えるからだ。いや、解決支援もその活動内容に含み、ワンストップを目指すと書いてあるからそうでもないのだろうか。
今後の成果がそれぞれどのようになっていくのか、遠くから興味深く見守りたいところである。

また、これは当然なのかしらとは思うが「中立」「客観」「専門」を表に掲げていることで、やや距離を置こうとしているように見える。これはそのような立場からのアプローチとして必要になるのだから、それでよいのだろう。そしてだからこそ、そうではない“当事者側・消費者側からの関与団体”の存在が重要になるのだろう。公正中立であることで出来ること、得られるパワーと、公正中立ではないことで見えること、わかること、出来ることは、或る程度互いに背反するからだ(ということを、私や私の仲間の活動で強く実感している)。

おそらく私が記した2点は、このセンターが将来的にADR機関としての認証を受ける計画を持ち、そのための実務経験とスタイルの確立を考えていることと関係していると思われる。ならばそうかそういうことかと思う。同じ法科大学院の行う事業であるとしても、いろんな展開があるものですね(ADR機関のあり方は私にはちょっと分からないので、他者に評価を譲りたい)。

関心がある方はこのblogではなく、上述の記者発表資料を直接に読み、誤解の無いようにしていただきたい。私の不明点についてのご指摘も歓迎する。

なお参考までに以下。
ADR法(Wiki)
ADR Japan
裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)について(法務省)


10月28日には設立記念シンポがあるらしい。参加してみるかどうするか、検討してみたい。私のように不勉強な者にとっては、いろいろ勉強になるかも。

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