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2006/10/29

知的障害者の消費者被害に関する弁護士会有志と福祉職員の合同事例検討会(2)

前回の続き。

事例検討について。2名から提供していただく。
まず弁護士から、知的障害のある人のリフォーム詐欺等について、民事の取り扱い例を紹介していただく。
福祉職員側からは、地域福祉権利擁護事業のスタッフが関わり始めた事例について紹介を受ける。

リフォーム詐欺のほうについては、業者の不当に高くかつ本人にとって不要な太陽光温熱パネル(正式には何と言うんでしたっけ)の取り付け等から始まっていわゆる「次々販売」の餌食となり、これの販売会社への支払いについてローンが組まれ、信販会社が債権者となったパタン。
普通なら太陽光温熱パネル1枚で済むのが相場の家の屋根に、7枚のパネルが並んでいる写真を見る。すでに屋根が傾いており、建築の専門家に依れば、いつ壊れてもおかしくない状況だったらしい。そのほかにも多くの機器を設置させられたり、殆ど素人のような材料で高い修繕費を取られたりしている。
発覚は支払いのための口座がカラになって引き落とせなくなった信販会社が機械的に督促から裁判に起こしたことから。
債務者である(であるとされた)知的障害者側の弁護士は、考えられる様々な方法で対抗し、最終的にはかなりの割合で支払われたお金を取り戻すに至っている。

ここで興味深いのは、通常なら信販会社に対してはこれ以上の支払いを停める手続きまでは可能だが、今回はそれまでに支払った分についてもほぼ取り戻せている点。あまり例がないらしい。
それから、今回の場合のポイントとして、知的障害者側にNPO法人の成年後見組織が居り、生活に関わることの支援と弁護士との連携を行うことが出来たこと。後見人が居たことにより、訴訟を受けることの意思が明確であったことも手続きを円滑にした側面はある。そのため、では後見を受けていない人だったらどうしたかについて質疑応答に上がった。やはり誰かを介在させるなどして本人の意思を明確にする作業が必要でしょうとのことだった。障害程度が軽度であれば一緒に訴訟を闘うことは可能だろうが、意思確認が安定しない場合は後見人の立場も重要と思われた。

しかしそれにしても信販会社を相手に取り戻せたってのはすごいなあ。
なお、先ほど、やれることはいろいろやったと書いたが(つまり複合ワザを使ったということか)、法的な主張のメインはやはり意思無能力の主張であったらしい。こういった訴訟の場合にはやはり使われるところだろう。ただ、このような事件については意思無能力が証明される必要があるけれども、だからといって他のいかなる場面でも意思が無能力であることが示されるわけではないのだから、これはこれとして理解すればいいのかなと思ったりもした。…このあたりは私のような立場の人間にとってはビミョーな話であるから、あえて少し書き付けておく。

もうひとつの地域福祉権利擁護事業から始まった事例については、現在まだ進行中でもあり、控えておく。しかし場合によっては今後、私たちの用意した法曹-福祉側連携のモデルを当てはめることになるかもしれない。既に気付いたときには問題が複雑になっていることを今回も確認したのだが、それにしても誰かが居なければ本人は言われるがままに支払いを続けていたであろうと思われた例ではあった。


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