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2006/08/15

成年後見とコミュニティフレンド(7)

全日本手をつなぐ育成会でも研究助成をもらって成年後見について考える事業が始まったとのことである。その中の下部委員会として、コミュニティフレンド(CF)のようなシステムについても検討させてもらえることになった。そういう、中間的な立場と言えばよいのかどうか分からないけど、必要性を検討するということだと理解している。
それで、千葉だけの話ではなく、もう少し一般性のある事業にしていく方法も考えるようになっている。とはいっても、まだぼーっとだが。

さて、本題。

成年後見とプラスアルファを組み合わせる考え方についてずっと書いてきていたわけだが、これは似ているものが幾つかある。幾つかあるということは、おそらくいろんな人が、成年後見だけでは不十分で、何かそれを補うものがあった方が良いのではと考えているということではないかと思われる(機能・役割的な意義)。また、成年後見人の候補者が今のままでは足りないので、他の人間を置いて数的に補いたいと考える人もいるのかもしれない(数的補足の意義)。私の考え方は、この連載の初期に示したとおりで、前者の「機能・役割的な意義」を重視している。基本は、その人にフィットした生活支援をきちんと考える部分を作ったうえで後見に繋がろうということだ。

最近話題の「市民後見人」だが、「市民」とついていてもれっきとした後見人である。いわゆる第三者後見人のなり手が、これまでは(弁護士、司法書士、社会福祉士等の)専門職集団であったものを、広く一般市民にまで広げようということだから、どちらかというと、数的な補足から出発しているように思われる(生活支援との連携についてはあまり記述が見あたらない)。しかし家裁の審判を受けて就職するものだから、他の成年後見人と変わらぬ権限と責務を持つ。市民という言葉が付いているからといって話が軽くなるわけではない。

市民後見人とコミュニティフレンド(CF)について、互いの関係を比較するために図1と図2を示す。互いを比較するために、「本人(被後見人等あるいは支援利用者)」や「支援者」「後見監督人等」などの位置づけを同じにしてある。それらを合わせたときに、2つのシステムのどこが同じでどこが違うか、確認できるだろうと意図で変形してある。そうしてみると、市民後見人は成年後見人の位置づけだがコミュニティフレンド(CF)はそうではないことがわかるだろう。

Siminkoukennin_1
 
 
 
 
 
 
図1 市民後見人(図をクリックすると大きい画像を見ることが出来ます)


Communityfriend_1
 
 
 
 
 
 
 
図2 コミュニティフレンド(図をクリックすると大きい画像を見ることが出来ます)


図の中に権限有り/無しと書かれているのは、法的に後見人としての拘束力を被後見人等あるいは支援利用者本人に持っているかどうかの違い。変更可/困難と書いてあるのは、他の人に変われるか変われないかを示したもの。システムの違いを考えたら当然のことであり、どちらがよい悪いということでもないように思える。利用者がそれぞれの違いを理解して使っていけばよいのではないか。とはいえ、コミュニティフレンド(CF)についても比較的長くじんわりと関係を続けることで生きてくるように思うし、また後見人についても、交代が容易かどうかということよりもむしろ、後見業務のチェックと、業務が不適切な場合の対応機能が今後非常に重要になってくることを十分認識しておくべきだろう。今でもそのような兆しがあるようなのだが、いろんな人が後見人等となることで、当の本人に不利益があったとしてもこれを修正することが困難な状況にあるからだ。残念ながらこれをチェックすべき家裁も、忙しい。

次回は、東京都の社会貢献型後見人のシステムについて紹介する。


(続く)

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