やぶにらみ的後見観点
「後見爆発」 ?
日本沈没みたいなコピーだがそうではなく、後見ニーズが今後爆発的に増えるのではないかという話をするときの殺し文句。雑誌か、伝聞か、とにかく誰かが言っていたらしい。
考え方によっては或る意味そうかと思うし、またずいぶんと単純な計算だと反対することも出来る。
いずれにしたって、後見ニーズの増加を肯定する論が何割か有れば、それだけで後見の請負者(受任者)が増えなければならないと主張するには十分だろう。
しかしその際に、“**施設ではまとめて~十人が後見申立を行った”などの話が引き合いに出されると、このような「爆発」といって煽り立てるような発言には、少なからず懸念を抱かざるを得ない。
後見審判が為されることによって契約関係はクリアになる。しかしそれだけで被後見人等本人の益に利する状態になるかどうかはわからない。極端に言えば別物だ。契約がクリアになって直接に益があるのは事業者側である。利用者側はそのうえで更に具体的な生活の改善に資する活動が為されないと意味がない。以前にも書いたが、とりわけ知的障害者の長い後見関係においてはいっそう重要な部分である。にもかかわらず、この部分が抜けて語られることが多い。
であるからこそ、主として知的障害者等の生活支援と成年後見に関心を寄せる立場の者としては、「後見爆発」のようなフレーズの一人歩きには閉口するのだ。
(ここまでで “そんなことはない、私はちゃんとやっている” と言える後見人は、これ以降読まなくてけっこう。しかしそのような人がどれだけ居るのか?)
安易な後見関係の成立は、却って被後見人等の不利益をもたらす場合もある。周囲から見て、本人が不利益を被っていたり侵害されているにも拘わらず後見人が動いていないのではないかとか、後見人が居ることでそれ以上の調査や何らかのアクションが起こしにくいことがあると、ある弁護士が言っていた。
このような場合は、簡単に言えば“却って手出しが出来にくく”なる。明らかに不適切な状況であればいずれ家庭裁判所が介入することにもなろうが、通常このような状況にはまりこむようなところでは関係者の利害が複雑になっているので、家裁も慎重にならざるを得ないだろう。また家裁も忙しいからこのようになる前に関わることも出来ない。実際、千葉県でだったか、後見人が取り消されたのはほんの僅かだったとのこと。
今後こういったチェック体制や適正運用に関わるシステムを整えていかなければならない筈なのだが、今は後見人候補者の増加を求める声ばかりを聞く。
終わりに、以上の文章からまとめて、“やぶにらみ的に”後見関係を見る際の観点を示す。
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1)何のために? …aだけでなくbが必要
a)~を護るため
b)~するため
2)誰のために?(利益を得るのは誰か)
a)本人のため
b)そして、誰のため? …これをよく見る
3)何をする?
a)財産管理と契約では何をするか
b)身上監護への配慮は
c)生活支援への具体的な顧慮は
4)後見関係をフォロー/チェックする立場の確保は?
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註:
この文章は、「成年後見とコミュニティフレンド」((1)~(4)、以下続く)の脱線的な挿話のようなものである。
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コメント
あの、やぶにらみって言うことですんで。
言葉を端折ってちょっと極論的なところもあるってことで。
それから、話は主として知的障害等のある方々を念頭に置いてますんで、そこんとこよろしくお願いいたします。
投稿: ながわ | 2006/08/07 21:30