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2006/07/25

「はじめてのおつきあい」椎名高志

根強いファンがいるらしい椎名高志。

このところは「絶対可憐チルドレン」の人気がすごいようで、関連webpageはにぎわっているし、「GS美神極楽大作戦!!」のワイド版は(ふたたび)刊行されるし、アニメのGS美神が再放送されるしで、もう私なんぞが言うことは大して無い。
とは言いつつ、ひーこら言いながら描いているふうが伺える彼のweb書き込みを読んでいると、泣けてきて何か書こうかなと余計なことを思いつく。

その椎名が毎月の読み切り作品を「(有)椎名百貨店」というタイトルで連載していた時期のひとつに「はじめてのおつきあい」というのがある。以下に所収されている。

(有)椎名百貨店3(小学館)

たぶん古本屋でしか手に入らない。Amazonでもどれくらい確保できるのかよくわからない。

中学生の男の子が好きな女の子に告白するかどうかという話である。で、それを小さな女の子が見ているというか応援しているというか。ただ、じつはその女の子が外宇宙から来た異星人で、というところでSFにもひっかかってくる。男の子と女の子のコンタクトと、宇宙規模でのコンタクトが二重になっている。

この話、そのタイトルからしてそうなんだが、ベースに次の本を敷いている。

はじめてのおつかい(筒井頼子さく・林明子え、福音館)

もともとが林明子のファンなので、面白がって椎名のこの短編を読んだ。林明子さんは自分の描いた絵にいろいろ仕掛けを入れるのが好きな人で、「はじめてのおつかい」の本の中にも幾つか仕掛けられているのは、ファンの間ではよく知られている。いや、そんなすごい話ではないです。絵本の中のお店が筒井商店だったりとか(絵本の作作者が筒井頼子)。あるいは、あそこで出ているキャラクターがここのページでも出ていて、それはそれでサイドストーリーがあったりとか。

椎名はそれらをたぶん踏まえた上で、この絵本のパロディを漫画の中に入れている。もともと椎名はSF作品のフレーズなどをときどき使ったりしているので、彼もまた仕掛け好きと言えるのだろう。その辺については以下を参照。

SFまんが道by水玉螢之丞(第5回)「椎名高志」篇

さて、そう思ってこの短編を見ると、すごく楽しい。男の子が女の子に最初に告白をトライする場所となる駄菓子屋は、もろ「はじめてのおつかい」の筒井商店を使っている。ただし店の名前は「竹同商店」。筒の字を分解したってことで。

同人誌っぽいといえばそれだけなんだけど。好きな作家が別の好きな作家を使っているので、両方好きな私はウケてしまった。

やはり、カール・セーガン「コンタクト」からの発想なのだろう。日本の翻訳版が出たのは86年、椎名のこの短編が入っている「(有)椎名百貨店3」は94年。ちなみにジョディ・フォスター主演の「コンタクト」は97年のようだ。

椎名の笑いとストーリーって、どこかで暖かい。芯の方でなにか真面目に守っているものがあって、でもそんなもの表にあまり出さない。たぶん恥ずかしいからだろう。だからといって純だと言うこともない。ひねくれてるし。なんだかえらく親近感を覚える。

いずれ今のブームが過ぎ去った頃にGS美神の話は書こうかなと思う。椎名とは同時代の人間なので、“マチルダさーん”とも叫べるけど、“ルシオラ ---!!”とも絶句できる。GS美神で一番泣けるのはやはりルシオラ編(じゃなくてアシュタロス編)だろう。

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