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2006/04/29

後見開始と資格制限(その2)

2.後見開始と資格制限

2-a)
臼井(2002)では、今なお「厚い壁」のひとつとして成年被後見人・被保佐人欠格の問題を挙げている。数も多いし、また変わりにくい部分でもあると認識されている。

この本の中では、一例として地方公務員法(第16条欠格条項、第28条降任、免職、休職等)を挙げている。兄(知的障害)が地方公務員として清掃業務に携わっていたが、消費者金融のトラブルから、弟が後見開始の申立を考えた。診断は後見が相当と記載されており、補助類型にはならないことが予想された。しかし成年被後見人は地方公務員法により失職してしまうため、弟はやむを得ず申立を取り下げたという。

→後見等の審判を受けるというのは、何らかの程度で当該人の判断「能力」が損なわれている(と見なされた)ことを意味している。よって相応の判断能力を必要とする業務等に就くことが制限されて当然というのが、被後見人等に対する資格制限の根拠の多くを占めているのだろう(未確認ながら)。
しかし少なくとも臼井(2002)の示す事例について見るならば、清掃業務は兄にとって特に支障なく行えていたものであり、これが後見開始と共に(清掃業務それ自身の理由ではなく)失わざるを得なくなるというのは、本人の能力他を現行の後見審判プロセスによって一律に捉える制度の矛盾であると考える。

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